クレイ・トンプソンって誰?:
クレイ・トンプソンはシューティングガードで、現役のゴールデン・ステート・ウォリアーズの選手だ。カリーと共にスプラッシュ・ブラザーズの一員でこの世代の最も優れたシューターの一人だ。 オールスターの常連であり、何度もNBA優勝を果たしている彼は、バスケ歴代最高の『キャッチ&ショット』シューターかもしれない。
ボディタイプ:
クレイ・トンプソンは 長身のシューティングガードでこのポジションには典型的なアスリートの体型と言えるだろう。長身のお陰で、ガードや、3ポイントラインから彼を押し出す役目の大型選手の上方から、シュートを放つ事ができる。とてもがっしりした体格で、それが見事なシュートへの1ステップを生み出し、ドリブルからのジャンプショットへとつなげる。強健な脚がディップや、コンタクトに臆さないシュートを可能にしている。
シュート構造(メカニックス):
トンプソンのシュート構造はまるで教科書のようだ。純粋なシューターであり且つ、シュート構造が非常に綺麗なので、彼のショットに欠点を見つけるのは難しい。彼は必ずシュート準備体勢から整える。まず腕をシュートフォーム(箱型フォーム)にし、自身の体がゴールに向かって正面を向くようにする。キャッチ&ショットの体勢に入る時には必ず肩をゴール正面に向け手を挙げて待つ。クレイはキャッチ&ショットの際ジャンプを使う。これは上級フットワークで少しのディップと通常より素早いリリースを可能にしている。ボールを持つ手は典型的で、シュートする手はボールの下側で指先でボールを支え、反対の手はボール側面に添えられる。この一連の流れが、トプソンがほぼ完璧な箱型フォームと再現性の高いショットを有する理由と言えよう。しかし、トンプソンが何より抜きんでているもの、それはリリースポイントだ。斜め45°から完全に腕を伸ばし、ボールを最高到達点で手から放つ。この結果、彼のエネルギーが、ボールリリースと共に滞りなく体からボールへと移行され、高い高いアーチを描き、思い切りの良い回転をかける。これが以下の2つの事を成し遂げる:① ショットが非常に正確に飛ぶ。② リバウンドを柔らかくし、リバウンダーのプットバックを容易にする。最後に、腰とリードハンドが常にゴールの方を向きつつ、完璧なストレート線の姿勢をキープする彼のフォームは、おそらくNBA歴代の最も完成したシュートフォームと言えるだろう。
打ち方:
クレイもまた、レジー・ミラーのように(敵、味方双方の)スクリーンからシュートへの流を作り上げたり、ベースラインを撹乱させてシュートへ持っていったりするのが得意な選手である。疲れることを知らない選手で常にシュートの隙を狙って動いている。だが、何より彼がスペシャルなのは、素晴らしい『キャッチ&ショット』シューターでありながらも、自らドリブルで空間を作り出し、シュートをしてしまう点だろう。実際、得点につなげるという意味で、これは非常に有効なのである。
このような、両刀使いとも言えるトンプソンの動きはディフェンダーを戸惑わせる。彼にボールが行った瞬間、次はどうやって打つつもりなんだ?と。何せトンプソンには優れた動体視力とボールハンドリングスキルが備わっているのだから。コートに居る限り、どこからでもシュートを飛ばす危険な存在、それがトンプソンだ。彼はどんなスポットからでもシュートを打ってしまうのだから。最後に、トンプソンもまたスプラッシュ・ブラザーのカリー同様、類まれなる闘争心と制限無しのシュート範囲を持っている事を言及しておこう。
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